平田恵子の ABC南風
    
Vol. 3 Canang (チャナン=お供え物)
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 島を歩くとき、私はうつむき加減になっている。強烈すぎる太陽光線をまともに浴びたくないのもあるが、実は道ばたにそっと置かれているチャナンを、あれこれ鑑賞しては楽しんでいるのだ。

 チャナンはバリ・ヒンドゥー教のお供え物で、やしの葉やバナナの葉で作った愛らしい器に、花や果物、お菓子、ごはんなどがちょこちょこ盛られている。線香が添えられていることも多く、これこそがお供物の動かぬ証拠?となっている。


 形もさまざまで、三角、四角、丸、風車のように飾りが飛び出たの、中に盛られた花や果物などの分量や色あいの組み合わせもバリエーション豊富だ。

 一般的な中身は、その日その家族が食べるものと花が盛られているそうだが、ときどきセンス抜群で永久保存したいものもある。地面から離れた所にあるものは、聖霊のために、地べたに直接置かれているものは、地中に棲む悪霊たちのため。私たちの感覚では、忌み嫌いがちな悪霊にも、愛情と手間と祈りを捧げるところにも、バリの土着信仰心の強さを感じる。まるでむずかる子どもをあやすように供物が捧げられ、"Wahai, Dewata, semoga hatimu senang. Jangan mengganggu kehidupan kami, ya.(神さま、今日もゴキゲンでいてくださいね。私たちの生活に害をもたらしませんように)" なんて感じで、平穏な生活への願いや祈りが込められているワケだ。

 ガルンガン前のある日、ウブドの家の前では、犬がチャナンに添えられたサテを食い散らかしていた。「ワンちゃんもごちそうもらって、よかったね!」とは言ったものの、キレイな時に写真を撮りたかったな〜。ともかくチャナンは、どんなに華麗でも、豪華でも1日で熱帯の白光に焼かれ乾き、ときに激しい雨に打ち付けられ泥だらけになったりして、哀れにもほうきで掃かれて、ゴミ箱行きとなる運命をたどる。つまり、一番大切なのは神に供物を捧げ祈る瞬間であり、あとは自然のなりゆきに任せるのだそう。そして、また新しいチャナンが供えられる。繰り返される11日を大切に、自然に生きるということなのかな?ビーチでゆらゆらと波にさらわれていくチャナンも、切なくて美しくて大好きだ。

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