バリ舞踊講師 富永仙子コラム
富永仙子(とみなが・のりこ)
 もともとフラメンコを学んでいたが、旅行で訪れたバリ島でバリ舞踊に出会い、たちまちその魅力の虜となる。その後、バリ島に通い、デンパサール、プリアタン、サボ、バトゥアンなどの村を回り、バリ島有数の踊り手や師匠から指導を受け、女踊りのみならず男踊りも学ぶなど各地の様々なスタイルを修得してきた。バリ島でのアートフェスティバルに参加し、日本での公演活動を行うかたわら、バリ舞踊の楽しさを体験してもらおうとバリ舞踊講師として後進の育成にもつとめている。踊りをもっと身近なものにしたい、いつどこでも色々な方々と一緒に楽しめるようにと願い、老人ホームや病院などでもバリ舞踊を披露し、驚きと共に楽しんでもらっている

★富永仙子先生コラム★バリ舞踊初体験はスクワット!?★


 初めてバリ舞踊と出会ったのは、インドネシアの旅の途上でした。偶々泊まった宿の人に連れられて行ったお祭りでのことです。

 すでに夜も更け闇もすっかり濃くなった頃、ブーンという発電機の音に包まれ、隣の人との肉体の境界も失い、明かりも時々辛そうにちかちか瞬く中、何の前触れもなく音が鳴り響き始まった、その踊りに私は心をすっかり奪われてしまいました。柔らかくしなやかに蠢く体、腕、その中にどこかピンとはった緊張感。激しい、力強い動きなどに魂を揺さぶられ・・・それでいて、どこか懐かしいような。この体験からほぼ2年後バリでのバリ舞踊初レッスンは、今でも忘れられない思いで始まったのです。

 初レッスンはアガムと言う基本形練習しましたが、これがまるで電気イス(運動部での足の鍛錬法の名)スクワットのようで、夕方とはいえまだ強い日差しの残る中でのそれはまさにしごきでした。あれっ?踊りを習いにきたはずなのに・・・???疑問をひきずり翌日もかわらずスクワット!翌々日も!体中の痛みは今日のものとも昨日のものともわからず、もつれ…。そして振りつけ部分は痛みの記憶に中に埋没していきました。

 今思えば、私にもこんな初々しい時が…なんて笑えますが、そのスクワットにもめげず、今日まで続いたその原動力は何だったのか?初めて観た踊りの美しい妖しさ、無心さに取り込まれたからでしょうか。ちなみに、お祭りで観たその踊りというのがチャロナランでした。仕方ないかな?

  
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 「チャロナラン」は魔女ランダと聖獣バロンの対立を描いた舞踊劇です。現在でもお祭の厄払いの儀礼として奉納されるほか、観光用にも上演されています。フラメンコ公演にも出演されるなど舞踊がご専門の富永仙子先生ですので、現地でのレッスンは体育会系の厳しいものだったようですね。日本で富永仙子先生の担当されるバリ舞踊講座は、初心者にも無理なく教えてくださいますので、ご安心を!

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