ABIS INDONESIA!
MAYUMIの★だって、インドネシアなんだもの★


No. 8 Teman lama di Bali (バリの古い友達)

■今回のフレーズ
Sudah lama tidak bertemu. 久しぶり。
Bagaimana kabarnya? 元気ですか?

■関連単語
teman :友達
teman lama :古い友達
teman dekat :仲のいい友達
sahabat :親友、仲のいい友達
kenalan :知り合い

■一口メモ
「友達」はkawanという言い方もあります。

■MAYUMIのコラム
私には10年以上のつきあいになるバリ人の友達がいます。彼女はウブドにある日本人が経営する店の店員として働いていて、そこで知り合いました。長期滞在中、そのお店によく通っているうちに彼女と仲良くなったのです。仲良くなったといっても、彼女は日本語どころか英語もつたなく、私の方も当時はインドネシア語も片言で英語だってそれほど話せるわけではありませんでしたから、彼女との会話はいつも断片的な単語のキャッチボールで、絵を描いたり、身振り手振りを織り交ぜたりの必死のコミュニケーションでした。

出会ってから何年かして、彼女は結婚して赤ちゃんを産みました。生まれたばかりの赤ん坊がいるけれど、店の仕事は続けていました。旦那さんの家族が赤ちゃんの面倒をみてくれたからです。私が赤ちゃんに会いたいと話すと、家に遊びにおいでと誘ってくれました。家はウブドからバイクで15分ほどかかるところで、彼女自身は毎日旦那さんのバイクで送り迎えしてもらっていたので、家までのわたしの足がありませんでした。どうしようかと悩んでいると、同じようにウブドで働いている彼女の妹がバイクで私を家まで送ってくれることになりました。

彼女の家は、ウブドからずいぶん離れた場所にあり、観光客もまったく見かけず、田んぼが延々と広がっていて、大通りから奥まったところに民家がちらほら点在しているようなところでした。家には旦那さんの家族が一緒に住んでいて(というより、旦那さんの家族の家に彼女がお嫁に来たわけですが)、私が来るとにこやかに迎えてくれました。家についてすぐに彼女は赤ちゃんのところに飛んでいきます。1日会えなかったのでずいぶん寂しかったのでしょう。抱っこしてひとしきりあやした後、私に紹介してくれました。

そして、彼女はナシゴレンとビン入りの紅茶(teh botol)で、もてなしてくれました。のどが渇いていたので、さっそく紅茶を飲もうと、ストローに口をつけようとすると、なんと、ストローの中にアリが一匹いるではありませんか。アリを取りたくても奥のほうなので指ではとれませんし、ストローを抜いて振り回したり、フーフー吹くのも、なんだか相手に失礼なようで気が引けます。かといって、紅茶に全く手をつけないのもこれまた失礼な気もします。どうしよう、としばし悩んだ挙句、意を決してアリごとチュッと紅茶を飲みました・・・・・・。アリなど虫が入ってることに気づかないで食べたり飲んでいることはこれまでにあっただろうと思いますが、意識して生きてるアリを飲み込むのはかなり勇気がいりました。しかし、勇気を振りしぼったおかげで、彼女や彼女の家族ともなごやかに時間を過ごすことができました。



彼女の家にて、彼女の赤ちゃんと。
この子も今はもう小学生になってるはず。
それからしばらくして、彼女は仕事をやめることになり、お店に行っても会えなくなりました。彼女に会いたいときは、まず彼女の実家に手紙を送り、その手紙を彼女の妹さん(バイクで家まで送ってくれた彼女です)が彼女に渡し、そして彼女が私の泊まっている安宿に会いに来るという、大変まどろっこしい手順を踏まなくてはならなくなりました。彼女は携帯電話を持っていませんし、旦那さんの家には電話もありません。手紙もうまく届かないのか、実家に送るように言われています。その実家にも電話はないらしく、連絡手段は手紙だけなのです。

バリに行くことが決まったら、私はまず彼女の実家へ手紙を送ります。何日から何日までウブドの○○に泊まってます、と。私も宿に一日中いるわけではありませんし、会えるかどうかは運しだいです。

いままで、2回ほど会えました。確率は50%くらいです。最近会ったときは、2人目の子供も連れて4人で会いに来てくれました(1台のバイクに乗って)。会えないときもありましたが、それはそれで仕方ありません。インドネシアでもインターネットが普及し、携帯電話の所持率も上がり、いまでは海外との通信手段は格段によくなりました。しかし、私と彼女の連絡手段は手紙と人の手という、いまだにとてもアナログな感じです。実は彼女だけでなく、バリで知り合う友達にはこういう感じの友達が多いのです。手紙だけの付き合いだったり、人によっては連絡すらとれません。なので、まめに連絡を取り合うような濃いつきあいは無理だけれど、バリを訪れた時だけ”Sudah lama tidak bertemu. Bagaimana kabarnya?(久しぶり、元気にしてた?)”と声をかけ、毎日のように顔をあわせ、たわいのないおしゃべりをしたり、お互いの近況を報告するといったとてもゆるやかな関係が続きます。

今年は数年ぶりにバリに行こうと思っています。彼女をはじめとする古い友達や、いつもお昼を買っていたワルンのおばちゃんやお気に入りの店の店員さんなど、友達と呼ぶにはおこがましいけれどまた再会したいバリの古い知り合いに会えるでしょうか。これから楽しみにしています。

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