ABIS INDONESIA!
MAYUMIの★だって、インドネシアなんだもの★


No. 1 HUJAN DAN BANJIR(雨と洪水)


■今回のフレーズ 
Hujan sudah gerimis.  雨は小降りになった。

■関連単語
hujan deras    :豪雨、大雨
gerimis, hujan rintik :小雨、霧雨
rintik hujan    :雨粒
Hujan reda.    :雨がおさまる(やむ)。

■一口メモ
大雨の場合はhunan besarと言うことも多いし、傘をささなくても平気なくらいの雨もgerimisと言う。

■MAYUMIのコラム
今、インドネシアは雨季の真っ最中。2月初め、ジャカルタは5年に1度の大洪水に見舞われ大変な状況になったことはまだ耳に新しいと思います(写真参照)。

私が初めてジャカルタを訪れた2003年2月も洪水が起こりました。飛行機がスカルノ・ハッタ空港に近づく頃、私は飛行機の窓から眼下の町を眺めていました。飛行機の高度が下がり家や車が見えるようになると、ちょっと不思議な景色が目に入ってきました。それは、海と陸の境界がはっきりしない程、陸地が水に浸かっているという、今までに見たことのない景色でした。

その後、久しぶりに再会したインドネシア人の友達にそのことを話してみました。

「空港の周辺って、魚の養殖でもやってるの?」
私はあの水浸しは養殖場にちがいないと思ったのでした。インドネシアはエビの養殖で有名だし。
「え、そんなのあったかな」
「でもなんだかでっかい湖のような、水に浸かってるみたいな場所があったけど」
「ああ、洪水ですよ」
このとき初めてジャカルタで洪水があったことを知り、私はbanjir(洪水)という単語を覚えました。私がジャカルタに来たとき、都心部の洪水は収まっていましたが、海に近い低地はまだ冠水していたのでした。養殖どころの話ではありません。

さて、そのジャカルタ訪問から数年がたち、インドネシアに留学してまだ数カ月の頃のこと。下宿近くのwarnet(インターネットカフェ)から帰ろうと外に出ると大雨が降っていました。ちょうど雨季のため、雨はものすごい勢い降っており、傘を持ってこなかった私は帰りあぐねていました。結局、同じように帰れなくなった近所の友達と一緒にwarnetの前のベンチに座って雨がやむまで待つことにしました。

雨の勢いは衰えるどころかますます激しくなり、warnetの前の道の排水溝はあっという間に溢れ始めます。20分足らずの間に、車が1台やっと通れるほどの細い道は泥の川と化し、泥とゴミまみれの水が流れていきます。道は完全に冠水し足首まですっぽり浸かりそうです。

その時、友達が“Wah, Banjir nih.(あ〜冠水してるよ〜)”と言いました。私はbanjirといえば「洪水」だと思っていたので、こんな程度でもbanjirって言うんだ、と新鮮でした。どうやら、水に浸かってる、水が溢れているくらいの場合でもbanjirと言うようです。

ジャカルタ北部の高級住宅街クラパ・ガディン地区での洪水の写真
(2007年2月コンパス紙より)
banjirになってしまったため、ますます帰れなくなりました。実は私も彼も下宿まで歩いて1分もかからない距離でしたが、とても帰る気がせずベンチでしゃべり続けました。このとき、雨の表現をいろいろ教えてもらいました。冒頭に掲載した単語が、そのとき教えてもらった単語です。

さて、2時間程してようやく雨は小降りになってきました。不思議なことに道に溢れていた水も意外とさっさと引いてしまいました。“Hujan sudah gerimis. Pulang yuk!(雨は小降りになったし、帰ろうよ)”と言われ、二人でそれぞれの下宿先へ駆け出しました。

インドネシアでは、大雨が降り出すとこんな風に動くことをあきらめて雨宿りする人がほとんどです。傘をさしてもびしょびしょになるくらいひどい雨なので、そんななか傘を差して歩いている人はめったにいません。

「雨のせいで約束の時間に遅れる」というインドネシア人の話を留学前によく聞きました。そのときは「台風じゃあるまいし、雨ごときで」と思っていましたが、雨季を経験してからは「さもありなん」と納得できました。

豪雨のせいでぽっかり空いた時間を、雨宿りで居合わせた見知らぬ人同士おしゃべりして過ごすこともよくあります。のんきと言えばのんきだけれど、時間に追われ忙しく動き回っている今の生活をふと振り返ってみると、あののんびりとした時間がとても懐かしく思えます。

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